西濃エリア最大級の「セラー室」ができた理由
当店の最大の特徴は、西濃エリア最大級の「セラー室」です。
「セラー室」とは、ワイン・日本酒を温度管理するための部屋。
面積は おおよそ18m×2.55mで、電車1両分ほどの広さがあります。
なぜこのような大きなセラー室を作ったのか。
そこには、当店オーナーの想いがありました。
■一般的でなかったワイン
オーナーの想いに至るには、当店の沿革をお話する必要があります。
「藤田屋本店」は1888年(明治21年)に創業しました。
豆腐屋として始まり、味噌、たまり醤油の小売りを経て、現在も続く酒類を中心とした販売業へ至ったそうです。
現在のオーナーは4代目ですが、その先代にあたる3代目の時代。
バブル全盛期に当店は規模を拡大し、1977年(昭和52年)に国道258号線沿へ店舗を移転。
大垣市で最大規模の店舗を構えます。
当時、一般的な酒屋の商品といえば、ビール、日本酒、ウィスキーでした。
店舗の移転に際して、3代目は「世界の銘酒がそろう店」を目指し、取扱い品目を増やしました。
その品目の中には、ワインもありました。
酒類では地域一番の品目数がある店として、当店は幸運にも、多くのお客さまのご愛顧をいただくことができました。
しかし一方で、当時一般的でなかったワインは取扱い方法が確立されておらず、常温で保存されていました。
■醸造酒の保存環境
ワインは日本酒と同じ「醸造酒」に分類されます。
醸造酒は「酵母」という微生物による発酵で造られるため、比較的アルコール度数が低くなります。
そのため急な温度変化などにより、品質が劣化しやすいのです。
(日本酒よりも、特にワインの方がその傾向が顕著です)
3代目の時代は、ワインの需要は小さく、保温設備がなかったため、劣化したワインは交換にて対応していました。
■生産者の気持ち
時代は進み、オーナーが4代目に引き継がれました。
同時期に、日本国内ではワイン消費量が増えていきました。
そんな中でオーナーは、あるワイン輸入業者と出会い「ワイン生産者の想い」を知りました。
ワイン生産者は、大きく2種類に分かれます。
ブドウを各農家から買い付け、工業的に大量生産を行う「ネゴシアン」。
ブドウを自家栽培して、醸造、瓶詰めまでを行う少量生産の「ドメーヌ」。
そのワイン輸入業者が扱うワインは、ほとんどがドメーヌのものでした。
一つ一つのワインは、その生産者の気持ちが込められた、稀少な逸品だったです。
それを知って、オーナーはこう思うようになりました。
「そのようなワインを劣化させていいものか」
「一つ一つのワインを大切に販売することが、ワイン生産者の気持ちに応えることになるのではないか…」
そうしたオーナーの想いを形にしたのが、当店の「セラー室」なのです。
■ぜひセラー室にお越しください!
ワイン・日本酒に賞味期限はありません。
しかしそれは「冷暗所で保存する」という条件あってのもの。
(日本酒も、ワインよりは緩やかですが、温度変化による劣化の心配があります)
セラー室は年中18℃以下に保たれ、急な温度変化を防ぎます。
大きな部屋なのは、全てのドメーヌものワインや日本酒地酒を保存するためです。
当店にお越しの際は、ぜひ「セラー室」にお入りください。
お客さまに美味しく飲んでいただけるよう、しっかりと品質管理したワイン・日本酒をご用意して。
藤田屋スタッフ一同、お待ち申し上げております!