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日本酒とワインの還元状態の話!「香りが変なら回してみよう」藤田屋 店長のつぶやき Vol.60

2024/10/19

カテゴリー店長のつぶやき

藤田屋 店長のつぶやき Vol.60
【香りが変なら回してみよう】
 
最近、日本酒「醴泉」銘柄の玉泉堂酒造さんから、とある案内文をもらいました。
 
 
醴泉を開栓して すぐに呑むと、渋さ・苦さを感じることがあると。
これはお酒が眠った状態のためで、空気に触れさせれば起こすことができると。
その方法を解説した案内文でした。
 
これ、ワインで似た話をよく聞きます。
 
◆ワインの還元状態
 
日本酒やワインを劣化させる大きな原因が「酸素」ですが。
実は、酸素が極端に無い場合にも、ワインに影響があります。
それがワインの「還元」状態です。
 
「還元」とは、酸化の逆の化学変化のことです。
私もさすがに、化学式までは追えないのですが…
ともあれ、どう影響するのかは知っています。
 
それが「還元臭」で、ワインから硫黄系の不快な香味がするといわれます。
この香味は、開栓してワインが適度に酸化すれば、消えてしまいます。
 
◆日本酒では珍しい話
 
ちょうど日本酒の専門家の方に会う機会があり、この醴泉の件を聞いてみました。
 
断言はできないが、おそらく還元状態が原因だろう、とのこと。
また、日本酒では珍しいことのようです。
 
・酒米の品質への猛暑の影響
・香りほのかな辛口タイプの日本酒
・低温での長期熟成
 
今回は、こうした条件が重なったためではないか、と推測されてました。
 
江戸時代の頃の日本酒は、甘口で常温保存されるものでした。
であれば、還元状態とは無縁だったでしょう。
 
冷蔵や醸造の技術が進んだ現代だからこそ、起こった問題だといえそうですね。
 
◆香りが変なら回してみよう
 
…といった、小難しいことを考えずとも(^^;
もっと簡単に、この知識が役立てられます。
 
これは私のワインの試飲での経験則ですが。
「香りと味わいのバランスに違和感がある」と感じるときは、お酒が眠っていると思います。
(例えば、コク深い香りなのに、爽やかな味がするなど)
 
そんなときは、グラスの中でワインを回して(スワリングして)酸化させると…
たいてい、香りと味わいの差が縮まって、美味しくなるんです。
 
還元臭は、硫黄系の香りといわれますが、人によって感じ方は違うそうですし。
正確に嗅ぎ分けることは難しいです。
 
なので「香りが変なら、とりあえず回してみる」とだけ覚えておいてもらえば、ひとまず十分だと思います(^^)
 

◆次回ご来店のとき「読んだよ」の声が聞けると嬉しいです!


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