【Q&A】買ったワインはどのように保存したらいいですか?ワインセラーが必要でしょうか?
-
買ったワインはどのように保存したらいいですか?ワインセラーが必要でしょうか?
-
ワインセラーでの保存がベストですが、「ボトルの状態」「保存場所」「戻し方」を適切にすれば、ベターな状態で保存できます。
ワインの保存に影響する要素は、温度、湿度、光、振動です。
日本の室内環境において、この中で最もワインの劣化に影響しやすいのが「温度」です。
短時間で大きく温度が変化すると、コルク栓が乾燥収縮して劣化し、液漏れします。
また、高い温度で長く置かれると、ワイン自体が熱劣化して、味や香りが損なわれてしまいます。
「温度が低めで一定している」ことが、ワインにとって最良の環境なのです。
ワイン用冷蔵庫、いわゆる「ワインセラー」があれば、良い環境を簡単に用意できます。
ワインを熟成させるには、こういった環境が必須と言えます。
しかし、いただきもののワインや、少しだけ楽しみたくてワインを購入される方にとって、そのために高額なワインセラーを購入することは難しい場合が多いでしょう。
そんなとき、家の中でも「ボトルの状態」「保存場所」「戻し方」を適切にすれば、より良い状態でワインを保存することができます!
まずは「ボトルの状態」。
コルク栓のワインの場合は、キャップ部分をラップで包んで輪ゴムで留めましょう。
コルクが乾燥で劣化することを防ぎます。
そして、ワインのボトル全体を、新聞紙で厚めに包んでください。
これで、ワインの急激な温度変化をある程度防ぐことができます!
続いて「保存場所」。
新聞紙で包んだワインを「冷蔵庫の野菜室」に入れてください。
これで、温度が低めで一定している環境を作り出せます!
冷蔵庫の冷蔵室ではなく「野菜室」に入れる理由は、温度がよりワインに適しているからです。
一般に冷蔵室は約3℃、野菜室は約6℃。
ワインは13℃~18℃での保存が適しています(※諸説あり)
より良い環境が「野菜室」なのです。
しかし、もし野菜室がない冷蔵庫であれば、冷蔵室に入れてください。
「涼しくて日の当たらない、押入れや床下収納に置くといい」とも言われますが、日本の夏はとても暑いです。
冬はともかく、夏の常温での保存はオススメできません。
(低温劣化の心配もありますが、高温劣化に比べれば、遥かにマシです)
最後に大事なのが「戻し方」。
野菜室や冷蔵室から出したワインボトルを、常温の部屋の中に戻すときの処置です。
ワインを飲む「一晩以上前」には、ボトルを冷蔵庫から取り出しましょう。
包んでいた新聞紙やラップを取り外します。
そしてボトルを「厚手のタオル」に包んだり、「発泡スチロール箱」に入れるなどします。
庫内温度と室温の差は、春・夏・秋は大きいです。
突然、常温の部屋に置いてしまうとワインにストレスを与えてしまいます。
それを防ぐための処置です!
部屋に置くときは、日が当たらない、できるだけ涼しい場所へ。
そして、ボトルが横向きになるようにしてください。
コルク栓のワインの場合は、乾燥したコルクが湿って、開栓が失敗しにくくなります。
このまま「一晩以上」かけて、徐々にワインの温度を戻しましょう!
ワインを飲むときの、種類ごとの適温や、適温の作り方は、別のQ&A記事に書いています。
よろしければ合わせてご参照ください。
さて、説明が長くなりましたので、最後に要点をまとめてみました。
【ワインセラーが無いときの、ワインの保存方法】
■ワインを家に持ち帰ったら |
|
---|---|
ボトルの状態 |
・キャップ部分はラップと輪ゴムで封をする ・ボトル全体を新聞紙で包む |
保存場所 |
・冷蔵庫の野菜室が最適 ・野菜室がなければ冷蔵室へ |
■ワインを飲む「一晩以上前」になったら |
|
戻し方 |
・新聞紙やラップを取り外す ・厚手のタオルで包む or 発泡スチロール箱に入れる ・冷暗所に、横向きに置く |
良いワインを、できるかぎり良い状態で。
美味しく飲んでいただければ嬉しいです!
※ご注意
今回ご紹介した保存方法は「ワインの劣化を防ぐ」ことに主眼を置きました。
「ワインを熟成させる」ことに向いていない点は、どうかご了承ください。