藤田屋のマメ知識 Vol.43【陶器と磁器で、変わる味わい】
2023/02/17
カテゴリー店長のつぶやき
藤田屋のマメ知識 Vol.43
【陶器と磁器で、変わる味わい】
酒器にも使われる「陶器」と「磁器」。
どちらも焼き物なので、普段、違いを意識することは少ないかも。
◆見た目と性質
どちらも主成分は、長石・珪石・粘土の3つ。
ですが、これらの比率が違うため、陶器はザラリ、磁器はツルリとしています。
陶器は、目に見えない空気穴が無数にあります。
そのため割れやすいですが、保温力が高い利点があります。
磁器はガラス質を多く含み、焼き物だけどグラスに近い性質。
陶器より割れにくいですが、保温力は低めです。
※ちなみに、藤田屋の地元・岐阜を代表する焼き物「美濃焼」は、陶器と磁器どちらもあります。
◆お酒の味わい
酒器の厚みや口当たりは、味わいに少し影響します。
陶器は厚く保温力が高いので、口当たりが温か。
お酒の甘みが引き立ち、インパクトが強くなります。
磁器はツルリとしていて、口当たりが なめらか。
お酒のキレが出て、シャープな味わいになります。
こうした酒器による味わいの変化は、大きくはありません。
しかし、上手く使う方法もあります。
・お酒が軽く感じたら、陶器で呑んで力強さを出す。
・お酒が重く感じたら、磁器やグラスでシャープに呑みやすくする。
こんな使い分けができたら、より美味しくお酒が呑めそうですね!
◆ツルリとした陶器?
ザラリとしてるはずの陶器が、ツルリとしている場合があります。
これは、ガラス質の「うわ薬」が塗ってあるからです。
うわ薬の利点は、いくつもあります。
・手触り、口当たりに変化をつけられる。
・自在に色や模様をつけられる。
・塗り方によって、少し強度が増す。
もちろん、基本は陶器なので、保温力も失われません。
うわ薬の塗り方は、全面に、部分的にと、いろいろあります。
陶器を観るときは、どの部分に うわ薬が塗られているか、確認してみると面白いですよ(^^)
◆素焼きはお酒に向かないかも…
うわ薬なしの陶器を「素焼き」と言います。
正直なところ、酒器には、素焼きはあまり向いていません。
それは吸水性が高いために、使用後によく洗ってシッカリ乾燥させないと、空気穴に水分などが残ってしまうから。
最悪の場合、ニオイやカビが発生するそうです。
素焼きの独特の風合いは素晴らしいのですけれど。
酒器として使う場合は、扱いに手間がかかることを覚えておきたいですね。
◆マメ知識を読んだあとは…
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