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藤田屋のマメ知識 Vol.44【村名ワインは特別な存在】

2023/03/30

カテゴリー店長のつぶやき

藤田屋のマメ知識 Vol.44

【村名ワインは特別な存在】

 

最近「村名ワインがこの価格で」のような宣伝文句をよく見ます。

 

でも、村の名前のワイン、と言われても、どんな価値があるのか分かりませんよね。
実は、特別なワインを表す言葉なんです。

 

◆村名ワインとは?

 

それは、フランス東部のブルゴーニュ地方の、ワインの「格付け」に由来します。

 

ブルゴーニュの格付けは「特級畑、1級畑、村名、地方名」の順に分かれ、その名の通り、畑や村などの単位で判定されます。

 

この「村名」の格付けを持つのが、村名ワイン。
特定の村で造ったワインが、厳しい条件を満たせば認定されます。
ラベルに記載された村名が、その証です。

 

↑村名ワインの1つ『Givry(ジヴリ)』

 

この格付けは「ワイン法」で守られ、他のワインは勝手にブルゴーニュの村名を名乗れません。
国が保護する、特別な名称なのです。

 

◆その価値は?

 

村名ワインの生産量は、ブルゴーニュ全体の約35%。
…と聞くと多く感じますが、そうではありません。

 

ブルゴーニュ自体が、歴史ある有名なワイン生産地です。
世界的な人気も高く、各国の消費者がそのワインを求めます。

 

またブルゴーニュ地方の生産量は、世界全体の約0.5%。
つまり、村名ワインは0.175%です。

 

特級・1級には及びませんが…
村名ワインも十分に格があり、希少なものだと思います。

 

◆ブルゴーニュ以外は?

 

実際のところ、ブルゴーニュ以外にも、フランスの別地域やイタリア・スペインなど他国に、その地の村名を名付けたワインはあります。

 

これを「村名ワイン」と呼んでも間違いではない気がしますが…
今の用法としては「ブルゴーニュの村名ワイン」を指すのが一般的です。

 

中には、質の悪い業者がそう知りながら、「村名ワインが安い!」と言って、ブルゴーニュ以外の村の名を持つワインを売る事があるかもしれません。

 

「村名ワイン」の知識を持って、間違えないようシッカリ見分けたいですね。

 

◆話題になった背景は?

 

ところで、なぜ最近「村名ワイン」とよく聞くようになったのでしょうか。

 

ブルゴーニュワインは、世界的な人気と物価上昇の影響から、今かなりの勢いで価格上昇しています。

 

格付け特級や1級のものは、ここ1年程で数千円単位で価格上昇しました。
村名や地方名のワインは、それよりも穏やかではありますが、上昇傾向があります。

 

ブルゴーニュといえば、赤のピノ・ノワール単一品種が、人気の定番です。
でも最近これも、2,000円代では、まず入手できなくなりました。

 

そうした背景から、まだ手が出しやすい価格帯の「村名ワイン」という分類が意識されるようになり、話題にのぼりやすくなったのだと思われます。

 

◆マメ知識を読んだあとは…

 

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