藤田屋のマメ知識 Vol.48【ひやおろしとは?】
2023/08/25
カテゴリー店長のつぶやき
藤田屋のマメ知識 Vol.48
【ひやおろしとは?】
もうすぐ秋。
この時期になると「ひやおろし」の名を持つ日本酒が、様々な酒蔵から登場します。
この「ひやおろし」の意味、知ってますか?
◆「ひやおろし」とは?
冬に生まれた日本酒を、ゆっくり熟成して春夏を越し、秋に出荷したものです。
造りたての新酒は、若く荒々しい味わいで。
これはこれで美味しいのですが…
約1年ゆっくり熟成した ひやおろしは、丸みを帯びてトゲがなくなり。
呑みやすくキレイな味わいになります。
それゆえに、日本酒の「一年一番の呑みごろ」と言われています!
◆火入れは1度だけ!
日本酒の多くは、保存性を高め酒質を安定させる「火入れ」(=加熱殺菌)を行います。
通常は貯蔵の前と後で、火入れを2度行いますが…
ひやおろしは貯蔵前の1度のみに留めます。
実は、熟成したお酒に対して火入れをすると、せっかく馴染んだ味わいや香りが、元に戻ることがあるのだとか。
そのため、ひやおろしの火入れは、熟成前の1度だけ。
酒蔵で、最適に熟成されたお酒が味わえる、というわけです。
◆ひやおろしの語源
ひやおろしは、「ひや」と「おろし」の2語から成ります。
まず「ひや」とは。
漢字で「冷や」であり、日本酒用語では20℃前後の常温帯を表します。
ひやおろしの「ひや」は、2度目の火入れをしない常温(=冷や)であることを表しています。
次に「おろし」とは。
昔は、大桶(おおおけ)に貯蔵したお酒を、樽(たる)へ卸(おろ)して出荷しました。
ひやおろしの「おろし」は、この「卸し」を表します。
つまり、「冷や」で「卸し」た酒なので、「ひやおろし」というわけです。
現代では、秋口でも気温が高めなので、常温でなく冷蔵されているでしょうし、貯蔵も大桶ではなくタンクやビンが主流です。
しかし、お酒としての本質は変わらないため、「ひやおろし」の名称が使われ続けています。
◆冬のひやおろし?
秋の ひやおろしと、冬の ひやおろしには、実は違いがあります。
ひやおろしは秋の間にも、ビンの中で ゆるやかに熟成をすすめます。
暑さが残る9月には、ややフレッシュ感を残す味わいが…
10月や11月になると、さらに まろやかさと旨味を増していきます。
こうした冬のひやおろしは「寒おろし」と呼ばれることも。
わずかなこの違いも、またお酒のたのしみの一つですね。
秋と冬で、ひやおろしの変化を たのしむ。
なんて、かなり「通」な呑み方です!
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