日本酒「醴泉」の研修会は、杜氏の熱量が伝わる、研究発表の場でした!
先日 店長は、日本酒「醴泉」の研修会に参加してきました。
玉泉堂酒造さんの主催の、業者向けの会です。
元々は年1回の定期的な会でしたが、コロナ禍で中止が続き、4年ぶりの開催でした。
この会には全国の酒販店はもちろん、他の酒蔵も勉強に訪れます。
なぜなら、杜氏みずからが研究発表のように、『醴泉』の造りを解説するからです。
◆実はスゴイ醴泉!
なぜ他の酒蔵までもが研修会に訪れるのか。
その理由は、「醴泉」銘柄を知ることで納得できます。
玉泉堂酒造さんは、複数の日本酒銘柄を持っています。
「美濃菊」「無風」「醴泉」が主な銘柄です。
その中でも「醴泉」は最高峰。
兵庫県東上の特A地区で作られた、酒米の王様「山田錦」を使い、「最高の食中酒」を目指した銘柄です。
(※例外として、定番品には1種類だけ、富山県南砺産「雄山錦」使用のものがあります)
中でも最高ランクのものは、一升瓶で2万円を越えます。
このレベルの日本酒を造れる酒蔵は、そうそうありません。
だからこそ、そのお酒がどのように造られているのかは、大いに聴く価値があると思います。
◆研修会の様子は?
研修会では、安福雅成 杜氏が、スライドを使って1時間ほど発表されます。
専門用語も多く、私がこの研修会に参加し始めた頃は、正直なところ、ほとんど内容の意味が分かっていませんでした。
しかし近年では、私自身も成長できたのか、以前よりもシッカリ頭に入ってくるようになりました(^^;
◆面白くないですか?
醴泉の醸造は、さらなる酒質向上と安定化の両立を目指し、日々改良されています。
すべての話を書くわけにもいきませんが。
例えば、1つの内容の概要だけを切り出すと…
・発酵での品質を安定させるには、精米の均質化が必要。
・精米の形状は、精米機での米の密度によって変わる。
・そのために精米機を改造し、電圧をコントロールする。
というようなお話が。
…いや、面白くないですか?(^^)
◆杜氏は研究者!
こうした改良の1つ1つが、実験と検証を重ねて行われているようです。
また以前、酒蔵を訪問した際には、杜氏が直接案内し、解説してくださいました。
そのときのお話からも、細かい部分まで1つ1つ、試行錯誤を重ねている様子が伝わってきました。
私が「安福杜氏は研究者のようだ」と感じるのは、こういう理由なのです。
◆研修会で伝わるものは…
こうした細かい造りの話は、私も最初は、なかなか理解が及びませんでしたが…
それでも、この研修会に毎年 参加し続けたことは、正しかったと思えます。
たとえ正確に意味が分からなくても、お話の端々から、どういう想いがあって、どういう意図があってそれをしている、という「熱量が伝わってくる」からです。
だからこそ、もっと知りたいと思えますし、この銘柄は素晴らしいと確信が持てます。
そして、お客さんに、自信を持ってお勧めすることができるのです。
◆試飲の感想は?
研修会の後には、「醴泉」全種類の「試飲会」が設けられました。
「特別本醸造」から「玉」まで、定番品の「醴泉」が全て味わえます。
ただし、酔っては味わいが分からないので、全て吐器へ出してしまいますが(^^;
今年度醸造は、さらに呑みやすく、味わい深くなっていることが確認できました!
その場で残した私のメモを、貼っておきます。
・純大吟から味わいの幅の広さが段違い。ガラッと違う。
・R4(令和4年)醸造は、より雑味少なく呑みやすく感じた。
・ただし純吟はR3のほうが良かった。熟成ゆえか?置き違いか?
→別の場所で再試飲したら、逆の感想になったので、やっぱり置き間違いかも?
・本醸造でも相当美味しい。
・香りは、特吟から含み香がフルーティーになり、純大吟から立ち香段階で香りが感じやすくなる。
・雄山錦は山田錦より無骨というか、シンプルな味わい。味わいの幅は少ないが飲みやすい感じ?
・玉は、かなりスッキリしてる。美味しいのは確かだけど、正宗や蘭奢待のが個人的には好みかも。
◆おまけ:ウィスキーの話
ちなみに、研修会の終了後の懇親会にも参加しましたが、玉泉堂の社長さんがウィスキー蒸留にメチャクチャ詳しいことが分かりました。
玉泉堂さんは数年前に、新たなウィスキー製造を始めましたが、それが熟成して世に出るのは2030年頃とのこと。
まだまだ先の話ですが、たのしみになりました!(^^)
◆次回ご来店のとき「読んだよ」の声が聞けると嬉しいです(^^)
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