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【Q&A】「生」のつく日本酒、「生酒」「生貯蔵酒」「生詰め酒」「生原酒」って何ですか?違いは?

2018/02/24

カテゴリーQ&A 日本酒

「生」のつく日本酒、「生酒」「生貯蔵酒」「生詰め酒」「生原酒」って何ですか?違いは?

加熱処理(火入れ)を、一部もしくは全くしない、しぼりたてに近い状態の日本酒です。それぞれ製法によって名称や酒質が異なります。

 

「酵母」と「火入れ」と、生の日本酒の関係

 

しぼったばかりの、できたての日本酒の中では「酵母(こうぼ)」が活動しています。
「酵母」は原料米を発酵させ、日本酒を造るためには欠かせないもの。

 

しかし、「酵母」が生きたままだと、瓶詰めした日本酒が発酵を続け、味わいや品質が徐々に変化してしまいます。

 

蔵元杜氏が狙った味わいを安定して届けるためには、酵母の活動を止めなければいけません。
そこで、低温殺菌の加熱処理を行って、酵母の活動を止めるのです。
この加熱処理を「火入れ(ひいれ)」と呼びます。

 

通常の日本酒は「火入れ」貯蔵前に1回、瓶詰め前に1回、計2回行います。

しかしながら「火入れ」をすることで失われるものもあります。
それは、できたての日本酒特有の、フレッシュさ、荒々しさなどです。

 

「火入れをしていない日本酒を呑んでみたい」
そんな声に応えて、「火入れ」をしていない日本酒が販売されています。
これが「生」のつく日本酒なのです。

 

 

3種類の「生」の日本酒

 

さて、「生」の日本酒は、大きく分けて3つ。
「生酒」「生貯蔵酒」「生詰め酒」です。
(※「生原酒」についてはのちほど説明します)

この違いは何なのでしょうか?

 

それは、火入れの「回数」や「タイミング」による製法の違いです!

・「生詰め酒」… 貯蔵前に1回だけ火入れをする。
・「生貯蔵酒」… 瓶詰め前に1回だけ火入れをする。

・「生酒」… 全く火入れをしない。

 

種類 \ 行程

通常の日本酒 醸造・しぼり 火入れ 貯蔵 火入れ 瓶詰め・出荷
生詰め酒 醸造・しぼり 火入れ 貯蔵 そのまま 瓶詰め・出荷
生貯蔵酒 醸造・しぼり そのまま 貯蔵 火入れ 瓶詰め・出荷
生酒 醸造・しぼり そのまま 貯蔵 そのまま 瓶詰め・出荷

 

これら「生」の日本酒は、火入れを限定したため「酵母」が残っています。

「酵母」は常温で活動しやすいため、「低温貯蔵」して活動を休眠させる必要があります。

特に「生酒」は、全く火入れをしていないため、変化しやすいと言えるでしょう。

 

 

「生原酒」とは

 

ひとつ説明をしていなかった「生原酒」。
これは、「生酒」かつ「原酒」である日本酒、ということです。

 

「原酒」とは、水で割っていない日本酒のこと。
通常の日本酒は、しぼりたてではアルコール度数が20度前後あります。
これを飲みやすい15度前後にするため、加水して調整するのです。
反して、加水の行程を省き、アルコール度が高いままの日本酒が「原酒」です。

 

つまり「生原酒」は、「加熱」も「加水」もしていないお酒。
「しぼったままの日本酒を、真に、そのまま瓶詰めしたもの」と言えるでしょう!

 

 

まとめ:ぜひ「生」の日本酒を楽しんでください!

 

最後に、これまでのおさらいとして、「生」のつく日本酒を表にまとめました。
各お酒の特徴も付けましたので、お酒選びの参考になれば幸いです!

 

種類 火入れ

味わい・品質の変化

特徴
通常の日本酒

2回

比較的、保存状態の影響を受けにくい。保存は冷蔵庫でなくてもいいが、冷暗所がオススメ。

生詰め酒

(なまづめしゅ)

1回

(貯蔵前)

生の日本酒を長期貯蔵する場合に向く製法。冬から秋まで貯蔵した生詰め酒「ひやおろし」は、日本酒最高の飲み頃と言われる。

生貯蔵酒

(なまちょぞうしゅ)

1回

(瓶詰め前)

しぼりたての風味を残しつつ、保存性も高める製法。フレッシュな味わいの「冷酒」に向く。

生酒

(きざけ、なまざけ)

なし

しぼりたてに より近く、フレッシュで荒々しい味わい。保存が難しく、昔は蔵元に出向かなければ飲めなかったが、冷蔵運搬技術が発達し商品化できた。

生原酒

(なまげんしゅ)

なし

大~中

生酒かつ原酒。加熱・加水をしていないため、しぼりたての酒に最も近い日本酒といえる。アルコール度が高いため、生酒より保存性が高い場合がある。

 

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